看護師の僕が毎日本を読むだけ

とりあえず本を読む。思ったことを書く。

『「健康格差社会」を生き抜く』近藤克典

 

「健康格差社会」を生き抜く (朝日新書)

「健康格差社会」を生き抜く (朝日新書)

 

 社会疫学の本2冊目。

著者の近藤克典氏といえばAGES・JAGES研究で有名ですね。

内容としては、イチローカワチ氏の「命の格差は止められるか」とかぶるものもありますが、前述のAGES・JAGES含めより日本の現状や課題にフォーカスされています。

 

いまいち上手くいっていない健康日本21や介護予防事業等に対して、今後はポピュレーションアプローチが重要になるとの指摘は納得。

これまでは生活習慣を改善するために保健指導や健康教育で知識を与えることが中心でしたが、これからは「どうしてその生活習慣なのか?」という心理社会的な面に注目し、よりよい生活習慣をとれるような社会環境にアプローチするという考え方ですね。

 

ヘルスプロモーション的な考えで真新しいものではないですが、保健指導・健康教育なんかは一応看護の専門領域でしょうから意識しておかないと。

「保健指導の効果」をテーマに卒論を書こうとして文献をレビューしたときに、「あれ、大したエビデンスがない…しかもコスパ悪っ!」とがっかりしたのはいい思い出です(笑)

今後の健康づくりの中心に看護職は居続けられるでしょうか。がんばらないと。