看護師の僕が毎日本を読むだけ

とりあえず本を読む。思ったことを書く。

『看護のアジェンダ』井出敏子

 

看護のアジェンダ

看護のアジェンダ

 

  なんとなく気になって随分前に買ってから、気が向いたときに少しずつ読んできた本です。

「週刊医学新聞」での連載を書籍化したもので、一つの話題が2~3ページにまとまっていて寝る前のちょっとした時間に読むのがお気に入りでした。

 

タイトルの<アジェンダ>とは、検討課題の意ですね。

この本の序文には、連載の主旨は「看護・医療界の”いま”を見つめ直し、読み解き、未来に向けたアジェンダを掲示」すること、と書かれています。

その主旨の通り、看護や医療に関するホットな133のアジェンダについて、筆者の思いや考えも交えて書かれています。

 

特に印象的だったのは、「看護」の語り方 という看護職以外に看護を伝える重要性や方法について書かれている項目でした。

その中で、看護の「可視化」の重要性について、以下のように書いてあります。

看護界から対外的にメッセージを伝えようとする際には看護の本丸を省略しないで言及することが必要なのだ 。

しかし、われわれ看護職は、看護の本丸はからだで知っているがゆえに、その部分を省略する傾向があることを自戒を込めて実感した。

看護の本丸。 わかっているようで端的に言葉にできないなあと。

ぼくの場合だと、看護の本丸について「省略」しているわけじゃなくて「可視化」できずにいるだけなんじゃないかとドキっとしました。

でもそれじゃいけないんだよなあ。看護とは何か、看護師なのに表現できないのは致命的だと我ながら思います。

 

あとは、「必読文献」という項目で、井出俊子さんが大学院生に勧めているという本の紹介もされていました。

随分前にそこからいくつか本を買ったままにしてあるので、この機会に開いてみようと思います。